執筆日:2021.01.29

AGORAの相続ドラマチェック!「俺の家の話」(SBSほかTBS系列にて金曜夜10時~放送中)

司法書士

小笠原 葵
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クドカン脚本、長瀬智也主演の金曜ドラマです。
落ち目のプロレスラー寿一(42歳)は、能楽の宗家に長男として生まれ、跡を継ぐはずだったが、叱ってくれないし褒めてくれない父、寿三郎に反抗して家出したまま長い月日が流れていた。
ある日の試合後、寿三郎の危篤の知らせを受けて、25年ぶりに実家に帰った寿一は、奇跡的に復活した父の介護とともに、能楽の宗家を継ぐことになり・・・
さらに、寿三郎は若いヘルパーのさくらと結婚して、遺産全てをさくらに渡すと言い出して・・・
なんて破天荒なストーリー!いえいえこれは、どこにでもある「家の話」です。
たとえば、親子のすれ違い。
「俺はおやじともっと話したかった」「ほめてほしかった」
親の衰えを感じながら介護するつらさ
「どうしてこんなことができないの?他人の私でもできるのに!」「子どもだからできないんだよ」
突然自分の衰えを突きつけられたショックと悲しみ
「能の謡はスラスラ出てくるのにな…なんで野菜の名前は出てこないんだろな」「別にいいだろ、八百屋じゃないんだから」
高齢の親と子のリアルな感情が、素直でストレートな言葉で表現されています。
相続プラザのコラムなので、相続関係についても見てみましょうか。
寿三郎の子どもたちは、当然自分たちが相続できると思っていました。
なのに突然の婚約、これは大問題です。
余命1年の寿三郎の前に突然現れたさくらに、遺産の全部をもっていかれたら、子どもたちは遺留分の請求をしても、4分の1しか受け取れません。それを3人きょうだいと、一番弟子で養子の寿限無の4人で分けることになるのです。
しかも、さくらは後妻業の女の疑惑あり…。今後の展開に目が離せません。
第1話を見た限りですが、相続問題に関しては複雑に絡み合う登場人物たち、みんな素直で、見ていて気持ちがいいです。
そして、寿一が本当に優しい。
劇中で、子ども時代の寿一が「(跡を継ぐのが)なんで俺なんだよ」と聞いたのに対して、寿三郎は「そういうもんだからだよ」と答えます。納得いかなかった寿一は、その後家出するに至るわけですが、戻ってきた寿一はこの「そういうもんだからだよ」というセリフを温かいものに置き換えて使っています。
自分のおしめを一度も替えてくれたことのない父、一緒にお風呂に入ってくれたことのない父に対し、「お前がしてくれなかったこと全部、俺がしてやるよ」「そういうもんだからだよ!」
なかなか親に対して、ここまで大きな広い心で接することはできないと思いますが、だからこそ、それをやってくれる寿一が清々しくて、あったかい気持ちにさせてくれます。
とびきり明るく面白い、リアルな相続と介護のドラマ「俺の家の話」
ぜひ一度ご覧になってみてください。

番組ホームページ ↓
俺の家の話 https://www.tbs.co.jp/oreie_tbs/
ーーー今回のブログ担当 司法書士 小笠原葵------
神奈川県在住。新米司法書士だったころ静岡で働き、育ててもらった縁で、2020年9月より、再び司法書士法人つかさに所属。神奈川県内の登記、リモートにてAGORA相続サポートプラザのPRを担当。
ドラマは1クールに2つか3つ厳選して見るタイプ。今クールは「俺の家の話」と「日曜劇場 天国と地獄」の2つに、土曜深夜の「その女、ジルバ」を途中から見るかどうか迷い中。「女は40から!」というキャッチフレーズに勇気をもらえる気がする40の私です。
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